カルチャー  カルチャー 2018年6月14日 更新 お気に入り追加 0

こんな日本酒あるんだ!in 山形

Kosuke Takayanagi Kosuke Takayanagi

〜日本酒愛の伝道師〜 国際唎酒師&SAKE DIPLOMAの高柳宏介が提案する美味しい日本酒のある生活。Instagramでは@sake_evangelist としてオススメの個別銘柄やお店の紹介をしています。さて今回は、え!こんな日本酒あるんだ!と思わず言いたくなるシリーズ第一弾。

日本酒は面白い

世の中には美味しい日本酒がたくさんあります。そんな中、蔵元の創意工夫やチャレンジなど、斬新な取り組みによって生み出される日本酒があります。

ここでは、「え!こんな日本酒あるんだ!」と思わず言いたくなる日本酒を皆さんに知っていただければと思います。

第一弾は、吟醸王国の山形県で純米大吟醸だけを醸す「楯の川酒造」よりナチュルフシリーズをご紹介します。

Nature-H(ナチュルフ)

「自然の素材や自然環境・時間が形成する美しさ」と「伝統の手づくりの美しさ」の融合を目指した、楯の川酒造の新しい日本酒シリーズです。
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Nature-H ~Pasteurization~

「パストライぜーション」とは、1860年代に近代細菌学の祖とされるフランス人ルイ・パスツールによって発見された殺菌法。

しかしその数百年前、戦国時代後期に当たる1570年頃の日本では、既に日本酒造りにおいて酵母や酵素の働きを止めて風味の調和を図り、雑菌の繁殖を抑制することで腐敗を防止する「火入れ」の手法が確立されていました。

Nature-H Pasteurizationは生のまま瓶に詰めた日本酒を湯煎して殺菌する「瓶燗火入れ」を施しているため、外気に触れることなく香味の散逸を最小限に留めてることができ、非常に優れた酒質に仕上がっています。

Nature-H ~Japanese Oak~

“人が作れない『自然の力』を、日本酒に“をテーマに造られてたオークシリーズ。

日本固有のオーク「ミズナラ」と日本酒が織りなす新しい旋律を感じる一本です。オークシリーズ用に醸造した純米大吟醸をミズナラの樽で寝かせることで、醸造技術だけでは生み出すことのできない「自然の力」を得た日本酒が仕上がります。

あえて吟醸香を抑えて醸し、樽から移る繊細な香味を感じやすくしており、ミズナラがもたらしてくれるラムのような深みのあるウェットな木香、オリエンタル感溢れる風味を楽しむことができます。

Nature-H ~Barrel~

同じ樽でも江戸時代には別の形の樽がありました。北前船により山形県産品が遠く大阪や江戸に運ばれていた時代。その当時に思いを馳せ、楯の川酒造創業当時の酒質を再現した作品。

創業当時と同様に仕込みの際の水の割合を減らすことで濃醇に仕上げた日本酒を、山形県金山町産の杉で作成した楯の川酒造オリジナル「杉樽」に貯蔵することで、爽やかな森の風のようなアクセントを加えています。

静寂で神聖な山の中に古来より自生する日本固有種「杉」の心地よい香りを感じる一本です。

Nature-H ~French Oak~

“人が作れない『自然の力』を、日本酒に“をテーマに造られてたオークシリーズ。

こちらは「フレンチオーク」の樽に漬け込むことで新しい世界を表現した一本です。ミズナラとはまた違った風味があり、バニラのような心地よくドライな木香、シルクの生地がふわりと舞うように上質感に満ちた風味を楽しむことができます。

Nature-H ~Sparkling~

“酵母が作り出す炭酸ガス“と”麹と米が作る柔らかな甘み“という2つの自然を閉じ込めた日本酒。活性タイプの日本酒は澱が絡んでいるものも多い中、この純米大吟醸スパークリングは独自の技術によりクリアな状態でボトリングされています。

心地よい刺激の発泡感と、調和のとれた甘味と酸味。造り手の美学を追求した蔵元渾身の作品です。

これからの時期、パーティーの乾杯酒などで大いに活躍してくれることかと思います。ラベルも青く爽やかなイメージ。一口含むと、その世界観に溶けていってしまう錯覚にとらわれそうです。
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