東日本大震災アーカイブ

「絆結」搾り作業 被災4県「興こし酒プロジェクト」 坂下の曙酒造

もろみの入った袋を槽に積み重ねる岩本さん(右)

 東日本大震災や熊本地震で被災した福島、岩手、宮城、熊本の4県のコメで日本酒を造る「興(お)こし酒プロジェクト」の搾り作業が6日、会津坂下町の曙酒造で行われた。復興支援として企画した東京都の城南信用金庫の呼び掛けで、本県の会津信金とひまわり信金、岩手県の盛岡信金の新入職員合わせて9人が作業を体験した。
 槽(ふな)しぼりと呼ばれる手法で、約零度に保たれた室内で、発酵させたもろみを入れた布袋を槽(ふね)の中に積み上げ、機械で圧力を掛けて酒と酒かすに分けた。
 参加したひまわり信金の岩本和典さん(22)は「被災地が元気になるようにたくさんの人に飲んでほしい」と期待を寄せ、盛岡信金の本宮満月さん(19)は「お酒の香りがとても爽やかだった。二十歳になったら飲んでみたい」と話した。作業後に搾りたてを試飲した会津信金の猪俣直也さん(22)は「これまで好んで日本酒を飲んでなかったがおいしさに驚いた。全国の人にも福島の酒のおいしさを知ってもらいたい」と声を弾ませた。
 日本酒は被災4県のひとめぼれをブレンドして醸造し「絆結(きゆ)」と名付けられた。城南信金をはじめ賛同した4県の信金理事長が4月に仕込み作業を行い、今回は次代を担う若者が思いを受け継いだ。
 「絆結」は8月22、23の両日に東京国際フォーラムで開かれる「2017"よい仕事おこし"フェア」で披露される。