日本酒を評価する全国新酒鑑評会とは?
全国新酒鑑評会とは、その年に製造された日本酒の新酒を評価する会で、独立行政法人酒類総合研究所と日本酒造組合中央会の共催で実施されています。明治44年からという歴史を持ち、この鑑評会で金賞を取るべく毎年全国の蔵元から日本酒の新酒が出品されているのです。清酒の製造技術や酒質の現状、動向などを調べ、清酒の品質や技術向上を目指し、日本国民に清酒をよく知ってもらうことを目的としています。全国規模で行われる日本唯一の日本酒鑑評会であり、平成27年の時点で104回も開催を重ねています。日本酒の出品数は800点以上(平成27年時点)、審査は予審3日、決審2日という長丁場で行われます。審査委員は、研究所職員、国税庁鑑定企画官職員または国税局鑑定官室職員、酒造に関する学識経験者、清酒製造業や販売業または酒造技術指導の従事者となっています。
全国新酒鑑評会が日本酒を評価する方法は?
鑑評会の審査方法は、予審では香りの品質や華やかさ、味の品質や濃淡、あと味の軽快さ、刺激味、味の特徴(甘み、酸味、うま味、苦味、渋味)の評価と総合評価を5点法で行います。決審では総合評価を3点法で、かつ入賞外という項目も設けて評価しています。入賞外を選んだ場合は、理由を記入することも必要です。決審では、香味の調和や特徴が、吟醸酒の品格と飲用特性から良好であるか否かが審査基準(参考)となります。予審と結審においてはあらかじめ、清酒の香気成分を分析してグループ化してから審査を実施します。鑑評会では総評として、その年の原料米の品質や気候の影響などにも言及しています。その年の清酒造りの問題点を洗い出し、広めることで品質の維持、向上を目指している内容となっているのです。全国新酒鑑評会は、日本酒の品質を保持する上で、大切な役割を果たしているといえるでしょう。
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