カルチャー  カルチャー 2017年6月16日 更新 お気に入り追加 0

意外と知られていない神奈川県伝統の地酒

☆SAKEPRO編集部☆ ☆SAKEPRO編集部☆

あまり日本酒に詳しくない方でも、山口県の獺祭や新潟県の八海山やなどの有名銘柄はご存知でしょう。 大きな都市ではあまり作られていない印象もありますが、東京近郊の神奈川県にも数種類の地酒が作られているのです。

米の旨みがしっかり生かされた「相模灘」

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神奈川県の相模原市に蔵元を構える久保田酒造では、日本酒「相模灘」を作っています。
久保田酒造は、創業以来150年以上の歴史があり、丹沢山系の美味しい湧水を使用した爽やかな風味の日本酒を製造しています。
この相模灘の定番商品は、純米大吟醸美山錦です。
長野県産の美山錦のみを使用し、これを40%まで磨き上げています。
また、その特性を存分に生かせるように9号酵母で醸しているので軽やかで飲みやすい口当たりの食中酒として人気です。
また、山田錦という種類の地酒もあります。
こちらは、兵庫県産の山田錦を使用し、美山錦と同じく40%まで磨き上げて作っています。
これら大吟醸は、出荷されるまで-5度の氷温冷蔵庫で保管され、旨みをしっかりと閉じ込めて熟成させています。
また、相模灘は、作りたての味を提供するために濾過をせずに瓶詰されています。
そのために透明に若干の色がついていますが、お米の甘さと新酒らしい苦味のバランスを絶妙で深い味わいを楽しむことができるのです。
様々な料理に合わせて、ひんやり冷やして冷酒としてもまた、温かい熱燗でもいただくことができます。

湘南最後の蔵元が作る日本酒「天晴」

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神奈川県の観光地としても有名な湘南にも日本酒の蔵元があります。
茅ヶ崎市に蔵元を構える熊澤酒造は、明治5年創業の湘南の地に残る最後の蔵元です。
中国の故事成語である「雨過天晴雲破処」から名を取った「天晴」には山田錦を使用し、40%まで磨き上げた雨過天晴、50%まで磨き上げた千峰天晴の他、五百万石を使用した吟望天晴、風露天晴の全4種類あり、その名の通り、色々なシーンでの青空をイメージして作られています。
純米を最大限に生かした製法で、さわやかな香りと、軽やかな味わいを楽しむことができます。
口当たりは甘く、その後に口の中に広がる切れのある味わいのバランスが絶妙です。
この4種類の日本酒は利き酒としても楽しむことができ、風露から雨過へと格上げするに従って香りが豊かになっていきます。
他にも創業当時は神奈川県での生産一位だった、現在でも限定流通商品として守られ続けている伝統の地酒「曙光」、また地元の名を取って名付けられた「湘南」や「鎌倉栞」などの銘柄もあり、お土産品としても好まれています。
さらに、きれいな真っ青の瓶に詰められた「熊澤」もギフト用として人気です。
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