これからの季節にぴったり！スパークリング日本酒の魅力！！

酒類の醸造では、糖分を含む原料に酵母を投入してアルコール発酵させますが、この時、酵母によって糖分がアルコールと炭酸ガスに分解されます。
開放状態で醸造を続ければ、アルコールは残るものの、炭酸ガスは空気中に抜けて殆ど残りません。
密閉状態でアルコール発酵が進めば、ガス圧が上がるとともに炭酸ガスは残ります。
スパークリング日本酒は、この原理に基づくものですが、やや変則的な方法も存在します。
スパークリング日本酒を製法で大きく分類すると2種類になり、瓶内二次発酵方式のものと炭酸ガス注入方式のものとがあります。
瓶内二次発酵方式は、シャンパンと類似の製法で、酵母が生きたままの日本酒が瓶詰めされて瓶内で発酵が進むタイプとなり、発酵が進み過ぎないように低温保存が必要となります。
炭酸ガス注入方式は、人工的に炭酸ガスが注入される工程を含むもので、瓶内に生きた酵母が含まれないため二次発酵が進むことはありません。
なお、別の分類として、スパークリング日本酒は、澄み切った清酒タイプのもの（瓶内二次発酵と炭酸ガス注入）と濁りのある濁り酒タイプのもの（瓶内二次発酵でもある「活性濁り酒」）とがあります。

スパークリング日本酒は、戦前から一部の酒蔵で小規模に作られていたとされますが、本格的に市場に出るようになったのは、平成になって以降のことです。
その後、注目され人気も出て種類も増えましたが、製品によってその性質はまちまちです。
そんな中で、awa酒協会が品質の統一を試み、透明で一定のガス圧をもつスパークリング日本酒を「awa酒」として認定するようになり、これを一つの目安にして楽しめるようになっています。
ただし、この規格に合わない濁り酒タイプなどのスパークリング日本酒も大いに楽しめますので、種類の多いスパークリング日本酒を自分好みで選ぶのも楽しいものです。
炭酸ガスの溶存濃度も様々で、微発泡性のものから強い発泡性のものまで、好みのものが選べます。
日本酒としての味や香りのバリエーションも含めると、スパークリング日本酒の選択肢は広がります。
また、スパークリング日本酒の歴史はまだ比較的浅いため、今後、新しい分野の日本酒として洗練の度合いがさらに高まり、魅力的な製品が今以上に増えていくものと期待でき、見逃せない日本酒の一つになることでしょう。