日本酒で有名な杜氏の種類

日本酒好きなら、 一度は「杜氏」について耳にしたことがあるのではないでしょうか。 杜氏とは酒造りの職人のことだと誤解されがちですが、 杜氏とは酒造りの現場での最高責任者であり、 スタッフである蔵人をまとめる人のことを指しています。

目次

日本酒の香味を決める杜氏

杜氏は晩秋から春先までの期間限定で酒蔵に泊まり込んで酒を仕込みます。
晩秋となれば故郷へ帰って行きます。
酒蔵では秀でた技能と人をまとめる統率力が求められる杜氏は誰でもなれる訳ではありません。
下働きから始まり、
先輩の仕事を見て盗みながら何年もかけて修行した中の一部の人だけがなれるのです。
杜氏の腕次第で日本酒の仕上がりが変わるので、
名杜氏は引く手あまたです。
従来は長年の修行の中で出稼ぎの杜氏制度がありましたが、
高齢化や専業農家の減少で伝統的な杜氏集団は少なくなってきています。
そもそも杜氏を雇わずに老齢の杜氏に指導を仰いだり、
蔵元自らが酒造りを行ったりする蔵元杜氏と呼ばれるシステムを採用することが増えてきています。
若い世代の蔵元杜氏が作る日本酒は若者にも受け入れられています。

伝統を守る有名な杜氏

日本酒には地酒があるように、
その土地の米や水・微生物の力を借りて造られるものだから地域ごとに種類があります。
土地の名物に合うように醸造されるということや、
杜氏集団と呼ばれる作り手の影響も大きなものがあります。
どんな種類の流派の杜氏がかかわるかで日本酒の個性が決定されます。
日本三大杜氏と呼ばれている有名な杜氏が、
南部杜氏・越後杜氏・但馬杜氏です。
南部杜氏は最盛期には3,200人が加盟していたとされます。
岩手県石鳥谷町は県内でも指折りの穀倉地帯として知られ酒造りも盛んです。
越後杜氏は新潟県三島郡寺泊を始めとする県内各地が出身です。
但馬杜氏は兵庫県北部の美方地方を中心とした一帯の杜氏集団です。
冬の積雪が多いために出稼ぎとして酒造りが盛んになりました。