カルチャー  カルチャー 2018年1月11日 更新 お気に入り追加 0

復興を願って製造された日本酒の銘柄をご紹介

☆SAKEPRO編集部☆ ☆SAKEPRO編集部☆

東日本大震災から数年が経ちましたが、まだ被災地は完全に復興しているとは言えない状況です。 それゆえ現在でも様々な、復興支援が行われています。 今回の記事では、被災地の復興を願って製造された日本酒の銘柄を詳しく紹介していきます。

南部杜氏の匠の想いが詰まった日本酒

特別純米 東北復興支援酒「 福香」 720ml 世嬉の一の清酒(地酒) 世嬉の一酒造 (5271)

「福香(ふくこう)」は、世嬉の一酒造が東日本大震災からの復興を願って作り上げた銘柄です。
岩手産のお米をふんだんに使用し、精米歩合の高い特別純米主として販売されています。
低アルコールでほのかな香りがすっきりとした味わいを演出しているため、特にお花見の時期などにみんなで飲み交わすことができるお酒です。
なお世嬉の一酒造は日本酒と同様に復興ビールも作っており、売上の一部は三陸沿岸漁業に復興義援金として寄付されています。
世嬉の一酒造は世の中の人々が嬉しくなるのに一番なお酒作りを目指しており、「福香」の銘柄の由来にもこの願いが強く込められています。
そして近年の地酒ブームに乗り遅れないように、震災で崩れてしまった蔵を改築し新しい酒造工場を設立しました。
地域の若手が中心となって酒造りで復興を行なっており、近隣の酒造会社も後に続くように酒造りがどんどんと再開されているのです。
世嬉の一酒造は大正時代から活動していた酒造会社でもあり、奥羽山脈の源泉と岩手の新鮮なお米によって長い歴史と共に日本酒を作り続けてきました。
卓越した南部杜氏の酒造方法で作られた日本酒は、東北復興支援のキーパーソンとなるでしょう。

被災地の子供の将来を願って作られた日本酒

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復興支援酒「一ノ蔵特別純米生原酒3.11未来へつなぐバトン」は、宮城県の大手酒造会社市一ノ蔵が販売している銘柄です。
2012年から東日本大震災で被災した地域の復興支援のために販売を開始し、売上全額を「ハタチ基金」へと寄付しています。
「ハタチ基金」とは被災した子供たちへの生活をバックアップする活動であり、2011年に誕生した子供がハタチを迎えるまで継続することを目標としています。
この活動は日本中から注目されており日本酒を飲むことによって復興支援活動ができるため、多くの人が「一ノ蔵特別純米生原酒3.11未来へつなぐバトン」を購入しているのです。
寄付金総額は1000万円を大きく超え、今後もさらに増え続けていくことが見込まれています。
「一ノ蔵特別純米生原酒3.11未来へつなぐバトン」は精米歩合が高く、原産米は大崎市蕪栗沼で生産されている「ふゆみずたんぼ米ササニシキ」を使用しています。
杜氏が被災した全ての人に思いを巡らせながら、心を込めて丹念に醸造している上質な日本酒です。
そのため米の甘みがほのかに染み込んだ軽やかな味わいであり、新鮮な香りとも相まってとても飲みやすくなっています。
なお日本名門酒会加盟店でも販売されているため、簡単に取り寄せることが可能です。
このお酒と共に年を取っていく子供達が無事に二十歳を迎えられることを願いながら、是非とも飲んでみたい逸品です。

被災地が協力して作り上げた日本酒

「絆結(きゆ)」は、震災により被害を受けた福島、岩手、宮城、熊本の4県のお米をミックスして作り上げられた銘柄です。
この日本酒は復興支援のために、城南信金が2012年より毎年音頭を取っている「よい仕事おこしフェア」の一環として企画された「興(お)こし酒プロジェクト」によって製造を発案しました。
2017年の8月に東京国際フォーラムでお披露目され、来場者に販売されています。
製造会社は福島県会津坂下町の曙酒造であり、5000円本限定の製造です。
曙酒造に直接問い合わせることにより購入が可能で、売上金から1本あたり200円が被災地の復興支援事業に寄付されています。
曙酒造は、全国でも非常に珍しい女系のの酒蔵です。
また明治時代に創業した古い歴史を持つ酒造会社でもあり、3期連続で女性が蔵元を任されていました。
代表的な日本酒は天明であり、平成28酒造年度全国新酒鑑評会では金賞を受賞しています。
そのため4県のお米で作り上げられたこの日本酒も、上質な味わいと香りのとても飲みやすい日本酒に仕上がっています。

被災地の復興に願いを込めて

このように、復興支援を願って作られた日本酒の銘柄は数多く有ります。
また同様に、復興を願い東北地方の日本酒の販売を推奨する酒造メーカーも多いようです。
今後も、日本酒による復興支援活動は末永く続いていくでしょう。
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