カルチャー  カルチャー 2017年1月10日 更新 お気に入り追加 0

良い米と良い水がおいしい日本酒を造る

☆SAKEPRO編集部☆ ☆SAKEPRO編集部☆

日本酒は水と米を主原料として造られています。そのため、酒の味の良さはこの水と米によって決まるといっても過言ではないのです。ここでは、どんな水と米が使われ、どうして重要なのかについて詳しく紹介しています。

 (1795)

日本酒の味は水で変わる

日本酒の成分の約80パーセントが水ですから、水によって酒質や味にも変化が出るので酒蔵ではこの水に非常にこだわりを持っています。また、洗米や容器を洗う、蔵の掃除、最後にアルコールの度数を調整するところまで、日本酒の製造工程で水は大量に使用され、酒蔵ではとても重要な役割を持っています。元来、良い水と米を得られる地域に酒蔵はできました。酒造りに適した土地にわざわざ蔵を引越しした人もいるほどです。蔵で使う酒蔵用水には普段使われている水道水よりも厳しい水質検査が義務付けられています。発酵に影響のある細菌や飲料として衛生上の問題を生じる雑菌はもちろん、日本酒の色や味に影響する鉄やマンガンには特に厳しい基準があります。鉄の場合、0.02ppm以下が最適です。また、仕込み水が軟水か硬水かによっても味が変化し、軟水系はやさしくまろやか、硬水系は辛口でキレのある味わいになりやすい傾向があります。日本酒を選ぶときには仕込み水にも注目し、蔵に出向いた時には必ず仕込み水を飲むことが大事です。

同じ酒米でも蔵により味もさまざま

日本酒には酒蔵用に改良された酒米といわれる酒造好適米が使用されており、これによっても味に変化が生じるので非常に重要なものになります。食用の米と違い大粒で心白と呼ばれる米の中心にあるでんぷん質が大きく、たんぱく質が少ないことが特徴です。その酒米の代表格が山田錦や五百万石、美山錦などですが、現在では各県で数多くの品種が栽培されています。酒米の王者といわれる山田錦は心白が大きいので芳醇な香りと濃醇な旨みのバランスがとれたおいしい酒が造りやすく、吟醸造りはもちろん新酒の鑑評会で入賞するには欠かせないお米とされています。今、多くの蔵がさまざまな酒米を使い新しい日本酒造りに挑戦しています。水と米の組み合わせによっても変化しますから、同じ酒米でも異なる蔵の日本酒を飲み比べしても楽しいものです。
5 件

この記事のキーワード