カルチャー  カルチャー 2017年5月22日 更新 お気に入り追加 0

製法にこだわりを持っている岩手の地酒「南部美人」

☆SAKEPRO編集部☆ ☆SAKEPRO編集部☆

現在、日本酒の種類は豊富にそろっており、全国の至る所で魅力的なお酒が楽しめるようになっています。 その土地によって日本酒の味にも違いがあり、オリジナリティーの高い日本酒を造っている所も多い事でしょう。 そこで今回は東北の岩手県に注目し、地元で作られている日本酒を紹介します。

技術と伝統が受け継がれている地酒「南部美人」

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岩手県には種類豊富な地酒があり、「南部美人」と呼ばれる銘柄もその中の一です。
南部美人は日本三大杜氏に数えられている南部杜氏の技術や伝統を受け継ぎ、お酒の銘柄名にもなっている南部美人という会社が製造しています。
創業は1902年ですが「南部美人」という銘柄は1951年に地名である南部と「美しい酒を造りたい」という思いを込めて命名されています。
南部美人は今までに地元の鑑評会などで様々な賞を受賞していて、岩手では有名な地酒となっています。
南部美人では健康を意識した人たちのニーズに対応できるよう、甘味料を一切使用しない日本酒の製法技術を参考にして糖類など添加物を用いないリキュールの開発に取り組みました。
その結果、商品化する事に成功し、そのリキュールの製法は特許として取得されています。
また1997年からは海外進出も積極的に行っており、海外からは「サザンビューティー」という名で知られています。
2013年には「日本酒」及び「糖類無添加梅酒」が海外での安全基準と言われている「コーシャ」と呼ばれる認定を同時に取得しています。

「南部美人」は米ひとつにもこだわりを持っています!

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岩手県の日本酒「南部美人」では地元の酒造組合と工業技術センターが共同で開発したオリジナル酒造米「ぎんおとめ」を使用しています。
「ぎんおとめ」は特殊な技術を用いて、ほぼ有機に近い米の栽培方法によって作られた酒造米です。
「ぎんおとめ」は岩手県の北部地域のみで栽培されており、南部美人では地元二戸市金田一の農業組合と契約栽培をしています。
また南部美人のブランドである「芳梅」では化学肥料や無農薬を全く使わずに栽培された「美山錦」と呼ばれる酒造米を使用していて、究極の日本酒を追い求めたシリーズも展開されています。
さらに南部美人では「純米吟醸」という枠組みの中で同じ精米歩合や酵母を使用し、米だけを「美山錦」など「ぎんおとめ」とは違った種類を使用する事によって米の味わいを堪能できるシリーズもあります。
南部美人で使用される水は地元の自然公園内にある伏流水を用いています。
この水にはカルシウムやリン、マグネシウムが含まれており、それらの成分が酵母や麹の増殖、発酵を促してくれるので、コクのあるしっかりとした味の日本酒が造れるようになります。
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