削り取る糠の割合を示す
白米のうち玄米に対する白米の重量の割合のことを精米歩合といいます。精米歩合60パーセントという時には、玄米の表層部を40パーセント削り取るという意味です。表層部にはたんぱく質や脂肪、灰分やビタミンなどが豊富に含まれていて、これらの成分は日本酒の製造に必要な部分ですが、多すぎると清酒の香りや味を悪くしてしまいます。一般家庭で食べているお米の精米歩合は92パーセントで玄米の表層部を8パーセント削り取るというのが一般的です。しかし、米を清酒の原料とする場合には、精米によってこれらの成分を少なくした白米を使用します。また、精米するときに急激に削り取ると米が熱を持ち割れやすくなるので精米歩合の高い種類のものはゆっくりと時間をかけて精米されています。
精米歩合により香りや飲み口などがかわる
精米歩合により日本酒は種類分けすることができます。精米歩合50パーセント以下に含まれるのが、大吟醸酒や純米大吟醸酒です。非常に華やかなりんごやバナナ、メロンやイチゴなどの果実や花の香りがして、研ぎ澄まされ、洗練された味わいが特徴で非常にピュアです。余韻もスッキリとしていながら心地よく長い日本酒になります。甘口から辛口までさまざまで、精米歩合のパーセンテージが低くなればなるほどその特徴は際立っていきます。また、精米歩合60パーセント以下に含まれるのが、吟醸酒や純米吟醸酒、特別純米酒などです。吟醸系は50パーセント以下に準じますが、純米・本醸造系は米の旨みがいき洗練された味わいになります。ほかにも、70パーセント以下の適度なコクとキレの良さがある本醸造酒や70パーセント以上の適度なコクのある普通酒、規定がなくお燗にも向く純米酒があります。
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