カルチャー  カルチャー 2017年4月24日 更新 お気に入り追加 0

今さら聞けない吟醸と大吟醸の違い

☆SAKEPRO編集部☆ ☆SAKEPRO編集部☆

日本酒の吟醸と大吟醸との違いについては、今さら聞けない部分もありますが、正確に理解している人も少ないのが現状ですので、その種類の違いを再確認することにしましょう。 違いが分かれば、日本酒を嗜む楽しみも増えることになります。

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まずは、吟醸の意味を知る

今さら聞けないほどの基本的なことですが、吟醸とは、普通の酒である本醸造酒よりも、精米歩合の数値を下げたもので、吟醸仕込みを行ったものを指します。
日本酒の原料である米は、米粒の表面を磨くように削り落とします。
そうする必要があるのは、米粒の表面に近い部分ほど、不純物が含まれていて、この不純物が日本酒に雑味を加えるからです。
精米歩合の数値が小さいものほど、大きく削られて米粒は小さくなり、その形も徐々に球形に近づきます。
精米をさらに進めたものが大吟醸です。
吟醸酒にするには、精米歩合の条件だけでは駄目で、特別な醸造法にする必要もあり、「吟醸仕込み」が行われます。
なお、醸造過程で醸造アルコールを添加するのが普通ですが、これを添加しない吟醸酒の醸造法もあり、その場合「純米吟醸酒」となります。
つまり、吟醸酒の種類には、ワンランク上の「純米吟醸酒」というものがあるわけです。
吟醸酒には、特別なフルーティーな香りがありますが、この香りは、醸造アルコールを添加することで強く引き立つことになり、純米吟醸酒は、その特有の香りが穏やかになります。
純米吟醸酒は、香りの強さよりも米の味を引き立たせるものとなります。

次に、大吟醸の意義を確認

大吟醸は、吟醸よりもさらに精米を進めたもので、米は大きく磨き削られ、小さくなると共に球形にかなり近づいています。
醸造の方法は、やはり「吟醸仕込み」ですが、さらに丁寧な低温長期による醸造の仕方となります。
大吟醸でも、普通は醸造アルコールを添加しますが、これを添加しないものを「純米大吟醸」と呼びます。
このあたりの事情は、吟醸酒と基本的に同じです。
大吟醸酒は、吟醸酒よりも香りがさらに引き立ちますし、純米大吟醸酒は、純米吟醸酒よりも味がさらに深くなります。これで、今さら聞けない吟醸と大吟醸との違い、さらに「純米」を冠しているかいないかの違いの意味がはっきりしました。
高級日本酒とされる吟醸酒および大吟醸酒ですが、「純米」か否かの区別も入れると、全部で4種類になるわけです。
そして、それぞれの製法の違いが、香りの強さの違いとなり、味の深さの違いとなって現れる、というわけです。
吟醸を好むか大吟醸を好むかは、淡い香りを好むか濃い香りを好むかの個人の好みの問題です。
また、「純米」を好むかどうかは、スッキリした味を好むか深い味わいを好むかの個人の問題です。
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