カルチャー  カルチャー 2017年5月12日 更新 お気に入り追加 0

日本酒の「特定名称酒」の意味を知る

☆SAKEPRO編集部☆ ☆SAKEPRO編集部☆

特定名称酒とは、日本酒を8種類に分類した時に用いられる名称のことです。 国税庁告知の「清酒の製法品質表示基準」によって、使用原料と精米歩合と醸造法の組み合わせによって、8種類に分類されます。例えば、「本醸造酒」や「純米吟醸酒」などの名称がこれです。

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基本的な区分は3種類

特定名称酒とは、日本酒を8種類に分けるものですが、基本的な区分は3種類となり、これが組み合わされたり細分化されることで、合計が8種類になります。
その基本的区分とは、吟醸酒、純米酒、本醸造酒、この3種類のことです。
吟醸酒とは、米の表面を削る精米の度合いを高め、醸造過程を低温発酵にし、吟醸特有のフルーティーな香りを引き出したものを言います。
純米酒とは、原料に醸造アルコールを含まず、米と米麹だけを使ったものを言います。
本醸造酒とは、原料として米と米麹と醸造アルコールの3種類を用いたものを言います。
もし仮に、「純米吟醸酒」と名乗る日本酒があるとすれば、それは、純米酒としての条件と吟醸酒としての条件とを満たした酒であることを意味します。
ただし、純米酒であると共に本醸造酒であることは矛盾するため、この組み合わせは存在しません。
吟醸酒であると共に本醸造酒であることは矛盾しませんが、この場合は「吟醸酒」と名乗ります。
また、純米酒の系統には別個に「特別純米酒」があり、本醸造酒の系統には別個に「特別本醸造酒」があり、やや複雑な8分類となります。

ややこしい特定名称酒の8種類を整理する

特定名称酒とは、吟醸酒、純米酒、本醸造酒、この3種類をベースに、一部に特別な製法を分類に加味して、日本酒を全部で8種類に区分するものです。
その区分は、やや複雑ですので、整理して理解することにしましょう。
特定名称として本醸造の文言を含むものとしては、「本醸造酒」と「特別本醸造酒」とがあります。吟醸ではない純米酒の系統としては、「純米酒」と「特別純米酒」とがあります。
純米でない吟醸酒の系統としては、「吟醸酒」と「大吟醸酒」とがあります。
純米酒であり吟醸酒でもある酒の系統としては、「純米吟醸酒」と「純米大吟醸酒」とがあります。
このように、ペアになる4系統があるため、全部で8種類になるわけです。
なお、「特別」と名の付くものは、精米歩合や醸造法が特別なものを指し、「大吟醸」と名の付くものは、精米をさらに進めて醸造法もさらに吟味したものを指します。
単純化して言えば、最も一般的な日本酒は「本醸造酒」であり、最も手間を掛けたものは「純米大吟醸酒」と言うことになりますが、味や香りの好みは人それぞれであり、単純に序列化できるものでもありません。
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