日本酒の素顔！生を味わう

日本酒は、私達に馴染み深い米・水・麹を原料として造られる清酒を指しています。
よく、微生物と酵素の働きによって米の旨味を引き出していると説明されるのですが、反対にこれらが働き過ぎると風味を損なうといった非常に繊細な特徴を持っています。
そこで品質を維持するために、火入れと呼ばれる加熱処理（65℃程度の低温殺菌）が重要となります。
醸造が完了したら、搾り・貯蔵・瓶詰めという流れを経て出荷されるのですが、一般に流通している日本酒は、貯蔵と瓶詰めそれぞれの前に火入れを行うことで、微生物や酵素の働きを抑制します。
これとは逆に、全く火入れを行わずに瓶詰めされるのが生酒です。
従来であれば、貯蔵や流通の間に酒質がどんどん変化していたのですが、貯蔵技術や流通方法の向上によって、搾りたてに近い生の日本酒を楽しむ事が出来る様になったのです。

火入れを全く行わずに造られる生酒は、フルーツを思わせるフレッシュな香りと軽快な味わいが特徴です。
中には炭酸ガスが残った種類もあり、舌先に感じる刺激が一層の爽快感を際立たせてくれます。
日本酒の飲み方には色々ありますが、生酒は冷やして飲む事で、その新鮮な味わいを最も楽しむ事ができます。
若々しい口当たりですので、最初の一杯として選べば食事をスッキリと始める事ができます。
また料理と合わせるのであれば、白ワインと同じ様に牡蠣や海老などの魚介類、チーズ、鶏肉などを選ぶ事で料理の特性を引き出してくれます。

ここまで説明してきた通り、従来は蔵元に直接赴かなければ、口にする事
が難しい存在であった生酒ですが、現在は技術の発達によって家庭でも手軽に楽しむ事ができます。この幸せな状況に感謝しつつ、自分に最適な生酒の飲み方を探してみて下さい。