献立の語源と日本酒の関わりがあるってご存知ですか！？

平安のいにしえの時代から、公式の酒席や神社の祭りの宴会などでは、まず主賓が酒杯に口をつけます。
その杯を上座から下座にまわし列席者全員が同じ杯で、日本酒を回し飲みする事を一献といいました。
今に残る風習として、宴会の席などで主催者のあいさつの後、乾杯の声掛けをしますがこれにあたるのかもしれません。
その他に、式三献と言って三回杯をまわすことが定例化しましたが、結婚式などに形式として三回杯を重ねる、三々九度などに残っています。
この一献ごとに、酒のさかなを違ったものにするため、内容を書き留めていったものを献立の起源といわれています。
そのため、献立とはお酒をすすめる為のもので、酒席の関わりが本来の語源でした。
昨今では、献立というと料理の種類や提供する順番を指すようになりました。
料亭などで、懐石料理を頂くときに献立として、料理長から手書きされたものが最初に提供されることが多いと思います。
また、すこし違った使い方としては、物事を進めるための手立てや計画、準備や手配のことも献立と表現するようになりました。
本来の使い方から、時代の変遷で便利に使われてきています。

献立について、献と立を分解して漢字の成り立ちから語源について考えてみました。
献とはお客様に日本酒や食事をすすめることを言います。
古い話になりますが、武家の酒席ではお客様をもてなす為に、膳に酒杯と銚子をつけて、日本酒を三杯すすめた後に膳を下げる事が作法とされ、これを一献といいます。
これからお酒のやり取りをする際の酒杯を数えるのも献で表しますが、例えれば、まずは一献といった言葉は今でも使います。
また、膳というと、イメージが涌かない方もおられると思いますが、旅行などに行って宴会の席などで食事を供される足つきのものが膳です。
立とは、仕立てるといった意味で、お膳立てすると同じ意味合いを持ちます。
結果として、二つの単語を合わせると、お客様にお酒や食事をすすめる為の調理する側の手順を示すものでした。
しかし、現在では料理の種類や内容を記したもの、またはそれを書き留めたものと変わってきて、招かれる側が使うメニューなってしまっています。
確かに、献は酒や肴を客にすすめるという意味もありますから、献を立てるという言葉が献立として定着したのも、うなずけるところがあります。