地元で愛飲され続けた日本酒
三重県の山間部、奈良との県境の伊賀盆地に位置している酒蔵で造られた、純米大吟醸・滝自慢は日本酒として伊賀で愛飲され続けてきたものです。伊賀忍者でも有名なこの地は山々に囲まれ、国定公園赤目四十八滝の渓谷が続くところに蔵があります。寒暖の差が大きい気候と名水に恵まれて、良い米の産地として知られる伊賀地方は同時に銘酒の産地でもあります。酒蔵も多い地域でありながら長年飲み継がれてきた日本酒は地元の人でなくてもおすすめの一本です。滝自慢は淡い山吹色で大吟醸としては比較的穏やかなフルーツの香りがします。みずみずしいミネラルウオーターのような感じもあり、基本的には辛口ですが甘みがのっていて、後味にも甘みと苦みが心地よく残ります。
チャンスがあれば飲んでおきたい若い世代が造る日本酒
こだわりの酒造りは酒蔵の歴史の古さだけで決められるものではなく、三重県には30代とまだ若い世代が造るおすすめの日本酒もあります。三重県は名張市にある木屋正酒蔵で造られる而今は洗練さという点ではやや劣るものの、甘さと酸味、旨みとキレという四拍子そろった一本です。而今とは今、この時の一瞬の意味で仏教に関する言葉です。何事にもとらわれず、今のこの一瞬を生きながら、ただ懸命に生き抜くという若い造り手のポリシーのようなものが感じられます。旨みとキレがあり、不必要に口の中に残らないお酒、食事と一緒に楽しめるお酒をモットーに酒造りが行われており、十四代などとともに入手困難な日本酒なのでチャンスがあれば必ず飲んでおきたい日本酒です。
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