カルチャー  カルチャー 2018年5月15日 更新 お気に入り追加 0

今更聞けない!日本酒の製造年月の秘密

Kosuke Takayanagi Kosuke Takayanagi

国際唎酒師&SAKE DIPLOMAの高柳宏介が提案する美味しい日本酒のある生活。Instagramでは@sake_evangelist としてオススメの個別銘柄やお店の紹介をしています。さて今回は、ボトルに記載されている製造年月の秘密について書いていこうと思います。

製造年月日はお酒が造られた日ではない

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はい、のっけから「どういうこと?」と言いたくなるタイトルでスタートしました今回のテーマはラベルに記載されている「製造年月」について。こちらも誤解されがちなポイントなのでここでサラッとおさらいしてしまいましょう!

日本酒のラベルに記載されている製造年月、例えば「製造年月2018.03」と書いてあったらこの日本酒はいつ造られたと思いますか?

多くの人は2018年の3月に造って瓶詰めされたものと思うのではないでしょうか。実際私も昔はそう思っていました。

しかしある日、製造年月は先月なのに明らかに熟成のニュアンスがある日本酒と出会いました。当時、知識もあまりない中でその理由を探るべくお店の人にその事を尋ねるとこんな答えが返ってきました。

「そりゃそうだよ、それは日本酒が造られた日付じゃないからね」

高柳、目が点。衝撃で日本酒を飲む手が止まりました。

製造年月日なのに造られた日ではない?ん??意味が分からない。。。

製造年月は出荷準備が整った日付

その後よくよく聞いていくと、製造年月日というのは醸造元から出荷準備が整った段階の日付が記載されていると知り一件落着しました。しかし、ややこしい!と思ったのは私だけではないはず。

つまり、表記上はこんなことが起こります。

・タンクで10年寝かせた日本酒を2018年3月に瓶詰めして出荷
→製造年月2018.03

・2018年3月のしぼりたての日本酒をそのまま3月に瓶詰して出荷
→製造年月2018.03

どちらも製造年月は一緒!

なので、仮に製造年月が先月だとしても、いつ上槽(搾られた)されたのか、どれだけの期間タンクで熟成されていたのか、というのは記載がない場合は舌で感じ取るしか方法はありません。

生酒なんだからフレッシュだろうと思って飲んだ時、わずかに熟成感あるなあと感じることもあるかもしれません。生酒もモノによっては搾ってから数ヶ月低温で寝かせて出荷されるものもあります。

ちなみに並行してこんな表記も気になるところ。

BYって何?

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ラベルに書いてあるBYの文字。何となく醸造とかお酒に関わること何だろうなと思った方、正解です。

BY=Brewery Year(酒造年度)

日本酒が醸された年度を表した表記がこのBYです。先ほどの製造年月日が出荷準備ができた日付だとすると、BYは素直に「その日本酒が醸された年度(搾った年度)」を表します。

だがしかし!ここでもまた少しややこしいお話があります。「年度」という言葉。皆さんもよく使うと思います。

例えば一般的に2018年度というと「2018年4月1日〜2019年3月31日」を指します。余談ですがこれは会計年度と呼ばれる区切りかたです。

では、2018BY(酒造年度)の場合はどうか。
「2018年7月1日〜2019年6月30日」となります。

ちなみに昔は酒税法的に10月1日から翌年9月30日までだったのですが、お国の都合で現在は7月〜翌6月になっています。

なので、今ぐらいに搾られた日本酒は2017BY(平成29BY)となるんですね。2018年も4ヶ月経つと、2017年が遥か過去のように感じますが、6月末までは2017BYの日本酒が出続けます。

2018年7月1日までは、まだ2017BYということですね。

まとめ

今回は製造や醸造の年月表示に関して簡単に書かせていただきました。

・製造年月日:出荷準備完了日
・酒造年度:上槽(搾った)年度

仮に今後記載をわかりやすくしていくのであれば、
・上槽年月日
・瓶詰年月日
・出荷年月日

これらの3点が欲しいところですね。
とはいえ、もっと簡略化できそうなものですが、ワインほど単純に工程やヴィンテージを考えられない以上、こういった記載をする優しさが欲しいところかもしれないですね。

それでは本日も良い日本酒をお楽しみください
〜日本酒に愛を、酒飲みに幸せを〜
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