カルチャー  カルチャー 2017年5月11日 更新 お気に入り追加 0

変わった日本酒の酒蔵がある

☆SAKEPRO編集部☆ ☆SAKEPRO編集部☆

日本酒の酒蔵では、変わった酒蔵がいくつもあります。 それは、酒蔵それ自体が変わっていて見学などもできるもので、酒蔵自体を楽しめるものを意味したり、酒造りの姿勢や製法が変わっていて、独自色のある製品を生み出している酒蔵を意味します。

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変わった酒蔵に出向いて楽しむ

日本酒の酒蔵の中には、部外者の見学を広く歓迎している所があります。
それ自体が変わっていることになりますが、それだけでなく、見学者が楽しめるよう特別な工夫を凝らした変わった酒蔵もありますので、見逃せません。
例えば、山梨県南巨摩郡富士川町の萬屋醸造店は、日本酒の製造販売を行なうと共に、古い酒蔵を改造した酒蔵ギャラリー「六斎」も運営しています。
江戸時代に建てられた酒蔵の1階は、銘酒「春鶯囀(しゅんのうてん)」シリーズ全製品の利き酒を楽しめる空間になっていて、搾りたての「蔵出し生原酒」をガラス瓶に詰めて購入することもできます。
その2階では、アートの企画展が常時行なわれ、秋には与謝野晶子にまつわる各種所蔵品の展示が行われます。
また、敷地内には、くつろぎの場として「カフェ・クコリコ」も併設されています。
ここは、萬屋醸造店と縁のあった与謝野鉄幹と晶子が宿泊した座敷を大正ロマンの雰囲気を残しながらカフェとして改装した所です。
酒米胚芽のケーキやクッキーあるいは酒仕込み水で淹れた飲み物など、酒蔵ならではの他にない味を堪能できます。

変わった酒蔵の銘酒を楽しむ

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秋田市にある日本酒の酒蔵「新政酒造」も、変わった酒蔵の一つです。
独自色のある銘酒を生み出す酒蔵は、ここだけではありませんが、異色の経営者によって支えられていて、酒造りの取り組みには、注目に値する部分があります。
新政酒造代表の佐藤祐輔氏は、東大英文科を卒業した後にフリージャーナリストとなり、それから家業を受け継ぐことになりました。
家業を受け継いだ時には、経営不振で赤字を出していた状態でした。
しかし、新政酒造には、先祖代々伝わる「6号酵母」があり、極低温でも発酵する優良酵母で、日本酒用の良質酵母は、どれも「6号酵母」の遺伝子を受け継ぐものです。
佐藤祐輔氏は、東京の醸造試験場で学び、さらに広島の酒類総合研究所でも学び、それから家業の改革に取り組みました。
目指したのは、ビールのような普及品ではなく、嗜好品としての高級品でした。
そこで、醸造アルコールを添加しない純米酒にこだわることにしたのです。
現存最古の酵母である「6号酵母」のみで酒造りを行ない、生もとや山廃などの伝統製法を堅持する方針を立てました。
「6号酵母」を守りながら、「No.6」「やまユ」「亜麻猫」など人気商品の開発に成功しています。
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