精米歩合って何だっけ?
精米歩合とは要するに“お米をどれだけ削ったか”の指標です。
数字が小さくなればなるほど原料のお米も小さくなります。呼び方として、よく削ったものを「高精白」、あまり削らないものを「低精白」と呼んでおり、日本酒の味わいに少なからず影響を与えています。
Ex. 精米歩合20%=高精白、精米歩合80%=低精白
それは何故か、お米の成分のは粒の中全体に満遍なく広がっているわけではないからなんですね。
表層に近いところにはタンパク質や脂質が多く、中心部に向かうほどでんぷん質の割合が高くなることが影響しています。
タンパク質は醸造過程でアミノ酸となり日本酒の旨味成分となりますが、これが強すぎると雑味となってしまいます。
逆に、米を削っていくことでより雑味を取り除いたクリアな質感の日本酒を目指すことも可能となりました。
数字が小さくなればなるほど原料のお米も小さくなります。呼び方として、よく削ったものを「高精白」、あまり削らないものを「低精白」と呼んでおり、日本酒の味わいに少なからず影響を与えています。
Ex. 精米歩合20%=高精白、精米歩合80%=低精白
それは何故か、お米の成分のは粒の中全体に満遍なく広がっているわけではないからなんですね。
表層に近いところにはタンパク質や脂質が多く、中心部に向かうほどでんぷん質の割合が高くなることが影響しています。
タンパク質は醸造過程でアミノ酸となり日本酒の旨味成分となりますが、これが強すぎると雑味となってしまいます。
逆に、米を削っていくことでより雑味を取り除いたクリアな質感の日本酒を目指すことも可能となりました。
なぜ米を削るのか
お米を削る行為には非常に時間がかかる。例えば、600kgの玄米を精米歩合70%にするまでに10時間、50%に達するまでにはなんと50時間もの時間がかかります。
精米機が発達した今の時代でもこれだけの時間がかかるのかと驚いてしまいそうになりますが、江戸時代はどうだったかというと、15kgの玄米を約50時間かけてようやく精米歩合82%まで削ることができたというのだから格段の進化ではないでしょうか。
さて、では何故そんな労力と時間をかけてまで米を削るのか。
それは、なめらかで透明感のある日本酒を醸すため。更には、精米技術を含めた醸造技術への飽くなき挑戦などがあるのではないでしょうか。
精米機が発達した今の時代でもこれだけの時間がかかるのかと驚いてしまいそうになりますが、江戸時代はどうだったかというと、15kgの玄米を約50時間かけてようやく精米歩合82%まで削ることができたというのだから格段の進化ではないでしょうか。
さて、では何故そんな労力と時間をかけてまで米を削るのか。
それは、なめらかで透明感のある日本酒を醸すため。更には、精米技術を含めた醸造技術への飽くなき挑戦などがあるのではないでしょうか。
お米を削る価値
先ほど書いた通り、お米を削るという行為には多大な時間と手間がかかります。それは必然的に日本酒を高価格に設定できる理由にもなります。
一般消費を語る部分においては「安い方がいい」という意見が優勢を占めるかもしれませんが、世界での消費や業界全体を考えた場合、日本酒はもっと高価格のものがあって然るべきと考えています。
「削るから美味しい、プレミアム」という話ではなく、単純にその品質と労力の点でしっかりと適正な価格を求める点で、この高精白系の日本酒は価値を生むのだと思います。
一般消費を語る部分においては「安い方がいい」という意見が優勢を占めるかもしれませんが、世界での消費や業界全体を考えた場合、日本酒はもっと高価格のものがあって然るべきと考えています。
「削るから美味しい、プレミアム」という話ではなく、単純にその品質と労力の点でしっかりと適正な価格を求める点で、この高精白系の日本酒は価値を生むのだと思います。
精米歩合1%の日本酒
今僕が記事を書いている2018年現在、最もお米を磨いて造られた日本酒、その精米歩合は1%である。この極地に達した日本酒を最後にご紹介したいと思います。
<楯野川 光明>
山形県にある楯の川酒造が到達した精米歩合の極地。
それが精米歩合1%。
こちらの日本酒をいただいた際のテイスティングコメントを以下に残しておきたいと思います。
<コメント>
削る作業だけで数ヶ月、途方もない手間と時間の先にある光明を見出すかの如く醸された日本酒。蔵元曰く、「実現した蔵にしか体験できないものがそこにはあった」。
しかしそれは飲み手にしても然り。
「高精白の日本酒は個性がない」「削らないことこそ個性」という人もいるが、この日本酒については「飲んだ人にしか分からない。飲まずに語ることは許されない」と言えるのではないだろうか。
磨くと個性が失われると言う。本当にそうだろうか。この日本酒には今、唯一無二の個性がある。磨き極めたその先に生まれた、一切の曇りを感じさせない透明感、熟練の匠に磨き上げられたダイヤモンドのような煌めき。
立ち香からして非常に密度が高くパワフルなことにまず驚かされる。デラウェア、マスカット、桃と完熟した果実のニュアンス。香りで既に濃密。香りの中にとろみを感じるほど。
僅かに含むと途端、爆発するかの如く口内で膨らむ圧倒的なボリューム感。イメージは朧げな空気の球体。輪郭はあるが柔軟で流動的、繊細に変化する様は緻密に計算された精度を感じさせる。
入道雲のように大きく膨らんだかと思うと、喉を過ぎた辺りで霧消する。一切の雑味はなく、澄み渡る空気を飲むような心地。濃密な空気が持つ存在感、しかし空気に色はなくどこまでも透き通る。磨かない米には出せない究極の透明感、その質感は決して薄くはなくむしろ未だかつてない至極の密度を感じさせる。
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日本酒ってすごいですね。
それでは、今宵も良き日本酒を。
〜日本酒に愛を、酒飲みに幸せを〜
<楯野川 光明>
山形県にある楯の川酒造が到達した精米歩合の極地。
それが精米歩合1%。
こちらの日本酒をいただいた際のテイスティングコメントを以下に残しておきたいと思います。
<コメント>
削る作業だけで数ヶ月、途方もない手間と時間の先にある光明を見出すかの如く醸された日本酒。蔵元曰く、「実現した蔵にしか体験できないものがそこにはあった」。
しかしそれは飲み手にしても然り。
「高精白の日本酒は個性がない」「削らないことこそ個性」という人もいるが、この日本酒については「飲んだ人にしか分からない。飲まずに語ることは許されない」と言えるのではないだろうか。
磨くと個性が失われると言う。本当にそうだろうか。この日本酒には今、唯一無二の個性がある。磨き極めたその先に生まれた、一切の曇りを感じさせない透明感、熟練の匠に磨き上げられたダイヤモンドのような煌めき。
立ち香からして非常に密度が高くパワフルなことにまず驚かされる。デラウェア、マスカット、桃と完熟した果実のニュアンス。香りで既に濃密。香りの中にとろみを感じるほど。
僅かに含むと途端、爆発するかの如く口内で膨らむ圧倒的なボリューム感。イメージは朧げな空気の球体。輪郭はあるが柔軟で流動的、繊細に変化する様は緻密に計算された精度を感じさせる。
入道雲のように大きく膨らんだかと思うと、喉を過ぎた辺りで霧消する。一切の雑味はなく、澄み渡る空気を飲むような心地。濃密な空気が持つ存在感、しかし空気に色はなくどこまでも透き通る。磨かない米には出せない究極の透明感、その質感は決して薄くはなくむしろ未だかつてない至極の密度を感じさせる。
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日本酒ってすごいですね。
それでは、今宵も良き日本酒を。
〜日本酒に愛を、酒飲みに幸せを〜
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