カルチャー  カルチャー 2017年2月27日 更新 お気に入り追加 0

日本酒酒蔵に新しい風。酒蔵で活躍する女性経営者

☆SAKEPRO編集部☆ ☆SAKEPRO編集部☆

かつては女人禁制の風習があり、男社会だった酒造りの世界。 最近は多くの女性が活躍し、女性経営者も増えてきました。 ここでは、酒蔵で幅広く活躍する2人の女性経営者をご紹介します。

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杜氏と社長の二足のわらじを履いて酒蔵を切り盛り

明治15年創業、古い歴史を誇る京都府の「丹山酒造」では、
5代目の社長に杜氏の長谷川渚さんが就任。
女性の視点と30代後半という若さながら杜氏と社長の二足のわらじを履いて酒蔵を切り盛りしています。
長谷川さんは丹山酒造で3人兄弟の末っ子に生まれました。
20歳の実家で杜氏の見習いとなり、師匠の姿を見ながら酒造りのノウハウを学びました。
商品に女性ならではの感性を生かし、まだ一升瓶が一般的だった時代に家庭向けの500ミリリットルの飲みきりサイズを開発。
容器はワインボトルのような変わったデザインにしました。
また、低アルコールや微発泡の日本酒を発売。
微発泡のお酒は軽い口当たりや、レモンやゆずを搾って飲む目新しさが女性や外国人観光客を中心に人気を集めました。
さらに、10年ほど前には米国にも進出しており、
海外での日本酒ブームを追い風にして輸出を大きく増やしています。

大学で勉強会を開催。海外展開にも力を入れる

奈良県の葛城市にある明治26年創業の「梅乃宿酒造」では、
5代目の社長に30代前半という若さの吉田佳代さんが就任しました。
入社10年目にして父親から蔵を継ぎ、伝統を守る一方で若者や女性にも日本酒の魅了を伝えようと熱心に取り組んでいます。
その1つとして、大学で日本酒の勉強会を行っています。
ゼミやセミナーなどで、おいしい飲み方や伝統的な醸造方法を知ってもらい、学外で利き酒をしています。
また、「和クテルフェスタ」というイベントも開催。
緑茶で割ってカクテルをつくったり、ロックにミントを入れたり、一般の人にさまざまな飲み方を披露してもらうなどして、日本酒のおもしろさを発見してもらおうという試みです。
梅乃宿酒造は、社員の2割以上が女性で管理職や酒造に携わる社員もいます。
また、丹山酒造と同様、海外展開にも力を入れており、米国や台湾、香港を中心に約20カ国に輸出しています。
輸出は売り上げの約15%と全国の酒蔵でも高い比率となっています。
酒蔵の女性経営者2人を紹介しましたが、2人とも伝統ある酒蔵で伝統を守りつつ、
女性の視点で新しい試みを続けています。
女性経営者の酒蔵はほかにも多数ありますが、「女性経営者の酒蔵で造られたお酒」という視点でお酒を選んでみるのも楽しいかもしれません。
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